海の環境問題を考える(4)
<水産資源問題とクロマグロ規制>
世界の水産資源問題:
・問題は、2つです。
世界需要の増加:日本人以外が魚を食べるようになったためです。健康に良い日本食ブームなど。
グローバル経済(自由経済): 環境問題(生態系)を無視した乱獲。環境修復にお金を払わない経済。
マグロでみてみましょう。
○世界のマグロ漁獲量推移: 長期的に増え続けています。日本以外の国がどんどん増やしています。
⇒日本への輸出+世界各地で日本食ブーム。世界の魚需要が急増し、グローバル経済、自由経済で早い者勝ちの論理。資源を保護し、持続させていく視点に欠けています。
2010年には、絶滅が危惧される野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の議論にあがり、大騒ぎになりました。モナコが大西洋、地中海のクロマグロの取引の全面禁止を提案。EU、アメリカが同調。反対する日本側は不利と言われましたが、提案は圧倒的な反対多数で否決されました。 発展途上国の多くが、環境保護よりも国益を重視したからです。
否決されたから、資源問題はないというわけではなく、漁業資源の問題は、ますます深刻化しています。
2013年9月のニュースから:
今度は、太平洋クロマグロが漁獲規制の話です。
「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の話ですが、小委員会の会合が福岡で開催され、規制内容が合意されました。
各国は、2002年~2004年の平均漁獲量から15%以上減らすという内容です。数値の規制は今回が初めてです。日本の規制値(上限)は6800トンとなりますが、実際には、資源の減少によって、近年は6000トン程度しか漁獲していないので、規制の影響はありません。
問題なのは、資源そのもので、15年前に比べて約3分の1になっています。
○私たちは、どうすべきなのか。(なかなか、むずかしいです。)
食品全般に言えることですが、“安い=エコ”ではない。
生産のエネルギー、輸送のエネルギー(フードマイレージといいます)を考えて、食材を選びましょう。
(たとえば、遠くから輸入されているのに安いのは、資源保護や環境保護の費用を負担していないから というように考える。)
地場で旬のものが一番よい。(自然の恵み=太陽という自然エネルギーの恵みです。)
マグロも、日本の伝統食材として、感謝しながら、食べ過ぎないように、資源が永続する範囲で食べましょう。
関連記事