人口問題・経済問題と地球環境問題との関係(2)人口問題の悲劇

<人口は、なぜ、増えてきたのか>
人類も生物界の一員である以上、子孫を残していくのは、自然の理です。
知恵と武器を持って、生態系の頂点に立っており、養える人口は食糧で決まってくるといってよいと思います。
世界で、これだけ、人口爆発が起こっているのは、20世紀初めに発明された化学肥料(窒素肥料)による食糧増産と、医療技術の進歩による長寿化です。

<人口減少は、悲劇を伴ってきた>
 人類は、未だかつて、計画的に世界人口を減少させたことはありません。
 過去の人口減少は、ほとんどが戦争、虐殺、飢饉、疫病によるもので、悲劇的なものばかりです。
 枚挙にいとまがないほど、多くの事例があります。

★ルワンダの虐殺: 1994年  犠牲者50万人~100万人。国の人口の10~20%もの人々が犠牲になりました。
 民族対立の側面で言われますが、背景には、人口急増による耕地の不足、食糧不足がありました。
ルワンダは、中央アフリカの小国。1959年に独立。面積26,000平方キロ。長野県の2倍くらい。赤道直下ですが高地のため、気候は温暖で、土地は肥沃であり、1960年代から80年代までは、農業を中心に順調に成長した優等生だったのですが、人口の増加、世界経済の影響、格差の拡大、貧困層の増加等で社会的な不満が次第に高まり、土地をめぐる争いが頻発していました。人口は、180万人(1942年)⇒750万人(1992年)

★ペストの大流行: 14世紀のヨーロッパ。1347年、中央アジアから、交易品の毛皮についたノミが媒介したとされています。ヨーロッパ全土に広がり、14世紀末までの3回の大流行によって、死者2,000万人から3,000万人。ヨーロッパの全人口の3分の1から3分の2が死亡しました。

★天明の大飢饉:江戸4大飢饉の1つで、近世では最大の飢饉。江戸時代中期、1782年~1788年。
浅間山の大噴火、アイスランドの火山噴火が原因とされています。
日本全体で、92万人の人口減少がありました。(1780年2,601万人⇒1786年2,509万人)

★第2次世界大戦: 死者6,200万人。
当時の世界人口は、約23億人。世界の3%の人が亡くなりました。
日本の人口(当時)は、約7,000万人。220万人が犠牲になりました。
直接、人口問題が関係しているわけではありませんが、資源や、国家の権益を争った結果です。



2015年02月07日 Posted byまこと(気象予報士)@地球環境 at 11:39 │Comments(0)

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