「木の文明」を考える(7)

第7回:まとめ:持続可能な社会に向けて:文明のありかたを考える

<持続可能な社会に向けて:文明のありかたを考える>
★木の文化・文明といいながら、現代の建設技術は、木造建築でいえば、1300年前の飛鳥時代を超えていません。
 中国から仏閣の建設技術が入ってきたのは、538年の仏教伝来以降であり、それから、わずか100年あまりで、日本の風土や材料に合ったものに大きく進化し、技術革新が起きて法隆寺に至っているわけです。
 建物の寿命という見方をすれば、木造建築だけでなく、現代のどんな建築も、1300年も持つものは作れないのです。
 現代文明が劣っているというわけではありません。科学技術は、はるかに進歩しているのは間違いありません。
 違うのは、考え方です。
 昔は、持続可能な社会という言葉はありませんでしたが、飛鳥時代から続く日本の森の文明、木の文化は、自然に逆らわず、大事に利用して、持続可能な社会につながってきました。
 進歩した現代文明は、これだけ地球環境問題がクローズアップされる時代になったにもかかわらず、使い捨てや生産性、効率優先の考え方から抜け切れていないと感じます。

<私たちが、身近に実践できること>(提案です)
 “木を使う(自然素材を使う)”ということを、あらためて考えてみませんか。
 昔は、木や竹などの自然素材でできていた製品が、どんどんと、石油等の化石燃料を原料とするプラスチック製品等に代わってきたわけですが、今からでも、自然素材に戻せるものがたくさんあるのではないでしょうか。どんなものがあるのか調べてみましょう。価格も一緒に調べれば、問題が見えてきます。
 現代でも使われている様々な木の製品も、木の種類も調べてみると、更にいろいろなことが分かってきます。(国産か輸入か。産地はどこか。単板なのか合板なのか。なぜ、その木が使われるのか。適材適所か。昔と変わっていないのか。等々。)
 目先の経済だけでなく、地球の未来の姿。私たちの子供たち、孫たちに何を残すべきかを考えていかないと、地球環境が手遅れになってしまいます。 


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2014年01月04日 Posted byまこと(気象予報士)@地球環境 at 20:25 │Comments(0)環境問題解説

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