人口問題・経済問題と地球環境問題との関係(8)アベノミクス(2)

<エネルギー問題と経済の関係: エネルギー問題もアベノミクスを脅かす>
今までの日本経済=GDPは、化石エネルギーの使用量に依存しています。にわとりと卵の関係ですが、たとえば、石油をどんどん使えば、GDPが上がります。石油が足りなくなると、GDPが悪くなります。
化石エネルギー(石炭、石油、天然ガス)は、世界中で需要が増えて、短期的な乱高下はありますが、長期的には価格が高騰しています。
2つの理由があります。

1つは需要です。経済が化石エネルギーに依存している日本の需要が増えています。中国等も、経済成長に伴って、輸入量が激増しています。
もう1つは、供給問題。中東の安い大油田は、ピークを過ぎています。海底資源やシェールオイル等、新たな埋蔵資源の発見で対応していますが、長期的には、もっと足りなくなり、お金を払っても、手に入れられなくなります。
また、日本は高いエネルギーを買いあさっていることから、貿易赤字に転じています。このことは、私たちの富が、海外へどんどん流出していることを示しています。そのために、化石エネルギーを買うお金が足りなくなります。一方で、経済のために化石エネルギーが必要なので、市場にお金をばらまいて、化石エネルギーを調達することになります。そのようにして、「円」の価値が下がると、化石エネルギーは、ますます高騰する悪循環に陥りつつあります。
現在は、日本経済が強いから、世界一高い金を払って、化石エネルギーの調達ができているのです。
「貿易赤字」「アベノミクス」等により、円の価値が下がると、長期的には、「日本経済の成長のもと=化石燃料」が、値上がりや調達困難に陥ります。

<日本はどうすれば・・・>
 2つあります。
1.化石燃料に頼らない経済へ
2.人口減少社会に合わせた経済へ(GDPの成長を目指す経済ではなく、一人当たりの価値が上がる経済へ)

本の紹介: “里山資本主義(日本経済は「安心の原理」で動く”
(著者: 藻谷浩介、NHK広島取材班、角川書店)

現在、ベストセラーになっています。
GDPで測れない「豊かさ」があるということ、グローバル経済から離れて、里山を中心とした地域で経済を回している具体例等、「アベノミクス」と正反対のやり方で、経済を再生し、豊かになれることができることが、実感できる本です。



2015年02月07日 Posted byまこと(気象予報士)@地球環境 at 12:32 │Comments(0)

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