地球温暖化問題解説(5)

第5回)日本は京都議定書を守れるか?
 日本の取組みの問題点を振り返ってみます。

 1997年に京都議定書が採択されたのに、日本は、実質的な取組みをほとんどしてきませんでした。
そして、その間、CO2の排出は、減るどころか、どんどんと増え続けてきました。
罰則付きの国際約束ですから、達成しないわけにはいきません。
政府が達成計画を閣議決定したのは、2005年です。

※)罰則は、未達成分の1.3倍を次の約束期間に上乗せされることと、排出量取引で、売却ができなくなります。

結論を先に言いますと、国際約束の6%削減は達成できそうです。問題は、その中身です。
1)経済の低迷で、2008年から排出量が大幅に減りました。それでも達成が難しいため
2)森林吸収をかなり入れています。それでも足りず・・
3)排出権を買っています。

 景気低迷の自然減と原発稼働で何とか達成する目論見でいたところへ、東日本大震災が起きました。
 原発がほとんど止まり、電力供給確保のための火力発電を大幅に増やしているため、達成が危うくなりました。震災復興で、それどころではない というのが本音でしょうが、国際約束です。
 結局、足りない部分は、排出権を買っているわけです。
 国全体で頑張って省エネをすれば、排出権を売ることができるわけです。そのお金があれば、自然エネルギーに投資して、更に排出権を売ることができます。良い方向に循環していくわけです。
 逆に、排出権を買うということは、お金は国内に投資されず、外に逃げていくわけですから、自然エネルギーの投資へも回せなくなるという悪循環になってしまいます。(実際に、そうなっています。)


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2012年11月11日 Posted byまこと(気象予報士)@地球環境 at 19:17 │Comments(0)気候変動(地球温暖化)

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