海の環境問題を考える(2)

第2回: 海の生態系と食糧(水産資源問題)

<海の生態系と食糧(水産資源問題)>
1)海の生態系のしくみ:
 私たち陸上動物からみると全くちがって見える海も、実は、陸上の生態系と同じしくみで循環しています。
まず、海草類や、植物プランクトンは、太陽の光と水中に溶け込んだ二酸化炭素や栄養素から、光合成で有機物を作り出します。それをえさとして、動物プランクトンや魚などの海の動物たちが成長します。海草も魚も死骸はマリンスノーとなって海底に降り積もります。海底の泥の中の微生物が、すべてを分解します。分解された栄養素は、また、海草等に利用されて循環していくのです。
私たち人類も、海の生態系循環の中から、魚や海草などを分けてもらって利用しているので、過剰に採りすぎれば、海の生態系を乱してしまいます。
 
  2)水産資源問題(海も入会地):
 自由競争で、早い者勝ちで水産資源を獲っているために、資源がどんどん減っています。
海はものすごく広いし深いのに、“入会地の悲劇”が起こるの? と思う人も多いと思います。

海の生態系も循環しているのですが、その量は、私たちが想像する以上に、ものすごく少ないのです。

※)光合成する植物の量の比較(トン:1ヘクタールあたり)
 森林:    100トン~700トン
 草原、農地:  1トン~20トン
海洋:    0.01トン(外洋)~0.3トン(沿岸)

海は広いけれど、どこにでも魚が住めるわけではないのです。魚が住んで繁殖するためには、いろいろな栄養が必要です。そのような場所は、沿岸や海流の潮目等、限られているのです。
海の環境も、大事にしていけば、水産資源も確実に回復します。
再生する範囲で利用していけば、将来まで、ずっと、永続させることができます。


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2014年01月04日 Posted byまこと(気象予報士)@地球環境 at 15:52 │Comments(0)環境問題解説

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