海の環境問題を考える(6)

第6回:日本の海は広くて深い

 日本は、世界有数の海洋国です。世界6位の面積の経済水域を保有しています。

<経済水域ランキング>
1位:アメリカ     762万平方キロ       2位:オーストラリア   701万平方キロ
3位:インドネシア  541万平方キロ       4位:ニュージーランド  483万平方キロ
5位:カナダ      470万平方キロ       6位:日本        447万平方キロ
※)日本は中国の約5倍もある。

 漁業資源や海底資源だけではありません。経済水域は自然エネルギーの宝庫でもあります。その面積分だけ、太陽エネルギーが降り注いでいます。季節や天候に応じた風も吹いています。波の力も利用できます。黒潮をはじめとする強い海流もあります。海の中の温度差をエネルギーとして取り出す技術もあります。
 以下のように、いろいろな方式が実用化に向けて研究開発が進められています。
波力発電、潮汐発電、海流発電、海水温度差発電等々:
★海岸線の長さ: これも日本は世界第6位と世界有数。海のエネルギーを使った発電に向いています。
(1位:カナダ、2位:ノルウェー。 日本は、アメリカやオーストラリアより長い。)

<日本は深海大国:日本の深海は世界一>
 日本列島は、広大な海に囲まれ、経済水域や海岸線は世界6位の海洋大国ですが、その水域の大部分は深海となります。
 深海には厳密な定義がありませんが、生物学的には、光が届かなくなる200m以下あたりから深海とよんでいます。
日本は、沿岸でも深い海が多いです。
東京湾でも、700mもありますので、巨大な深海魚が生息しています。となりの相模湾は、1600m、東海地震が心配される駿河湾は、2500mもあります。
5000m以上の深海の体積は世界一といわれています。

<なぜ深海が多い?:海底の地形をみる>
 日本列島が、地震列島・火山列島であることと大いに関係しています。
 日本付近では、4つの地殻のプレートがぶつかり合い、押し合って、地震や火山を発生させている話を以前からしています。その4つの中の2つ、太平洋プレートとフィリピン海プレートは、日本列島の下にもぐり込んでいます。そのために、海底が引きずり込まれ、帯状に、溝のような地形が形成され、海溝とかトラフ(谷)と呼ばれています。
千島海溝: (太平洋プレート) 9550m。北海道沖に、地震の空白域があります。
日本海溝: (太平洋プレート)8020m。東日本大震災の震源。房総沖は、地震の空白域
伊豆・小笠原海溝: (太平洋プレート) 水深9780m 日本一。
南海トラフ: (フィリピン海プレート) 水深4800m やや浅いため、海溝と呼ばれない。1000mも堆積物が積もっているためで、静岡県の河川から流れ出たものとされています。東海、東南海、南海の各大地震の震源で、繰り返し発生の記録が残っている。
南西諸島海溝:( フィリピン海プレート) 7460m

 世界最深は、マリアナ海溝の10911m 太平洋プレートがフィリピン海プレートにもぐり込んでいます。伊豆・小笠原海溝から南へ続く部分です。


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2014年01月04日 Posted byまこと(気象予報士)@地球環境 at 16:11 │Comments(0)環境問題解説

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